
ギリシャのユーロ離脱や中国株のバブル崩壊、アメリカの利上げなど何かと懸念材料の多い世界の経済情勢ですが、これからマイホームを購入しよう!としている方もいらっしゃると思います。
そのような方で、この時期に住宅ローンを組んで大丈夫なのだろうか??と不安になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
みなさんもご存知の通り、住宅ローンの金利は、固定金利、変動金利ともに日本の景気に大きく影響を受けます。
そして、日本の景気はアメリカをはじめ、ユーロ圏や中国の景気など世界中の国々の経済状況に大きく影響を受けます。
そんなことはわかっていても、マイホーム購入という人生の一大イベントをギリシャや中国経済の先行きにゆだねるなんて、なんだか我慢できませんよね!?
世の中の状況になんか左右されずに、上手に住宅ローンを組んで、理想のマイホームを手に入れる極意をお伝えしたいと思います。
住宅ローンで失敗しない為の心得は下記を参照してください。
「知らないと自己破産する!?住宅ローンで失敗しない6つの心得」
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1 金融機関から借りられる額をうのみにしてはいけない
銀行が貸してくれるのだから借りられるだけ借りてしまおう、と考えがちですが、
借りられる金額は、つぎの2つのステップで概算を計算することができます。
(ステップ1) 年間返済額を計算する
年収×返済負担率基準-他のローンの年間返済額=年間返済額
(ステップ2) 年間返済額をもとに借入可能額を計算する
年間返済額÷12÷100万円あたりの毎月返済額×100万円=借入可能額
(年収600万円太郎さんの場合)
返済負担率30%と仮定します。(返済負担率は各金融機関で異なりますのでご注意ください。)
借入期間35年、金利4%と仮定します。
100万円あたりの毎月返済額(4,428円)という指標はWeb等で入手することができます。
(ステップ1) 年間返済額を計算する
600万円×30%-0円=180万円(これが年間返済額)
(ステップ2) 年間返済額をもとに借入可能額を計算する
180万円÷12÷4,428円×100万円≒3380万円
太郎さんの年収や借入期間をもとに今回のシミュレーションでは、3,380万円が銀行からの借入可能額となりました。
2 無理なく返せる金額を計算してみる
年収や借入期間などをもとに計算される借入可能額とは異なり、無理なく返せる金額とは、みなさん個々のライフスタイルや消費生活なども加味して考える金額で、毎月の住宅関係費から住宅取得後に増える維持費等を引いて計算します。
具体的な計算式は、
今現在の家賃+駐車場代+今現在の住宅用月額積立金額=住宅関係費
から
① 固定資産税
② マンションの場合は管理費、修繕積立金/戸建ての場合は将来の修繕費
③ 駐車場代
④ 光熱費等の増加分
住宅を取得したあと、新たに増加する費用4項目を引いた金額が毎月無理なく返せる額になります。
いままで賃貸マンションで暮らしていた方は、住宅を取得すると固定資産税や将来に向けた修繕費というものが余計にかかってきます。
また、持家の場合、賃貸のときよりも床面積が増えることにより光熱費が増加することが考えられます。
無理なく返せる金額を計算する場合、住宅関係費からこの余計にかかる部分を差し引いて計算する必要が出てきます。
先ほどの太郎さんが現在家賃120,000円、駐車場30,000円で生活していて、毎月住居取得のために50,000円を積み立てているとすると、
住宅取得後に増える4項目を以下のように仮定します。
120,000円+30,000円+50,000円=200,000円が住宅関係費です。
① 固定資産税14,000円
② 管理費+修繕積立金19,000円
③ 駐車場代30,000円
④ 光熱費等の増加2,000円
毎月無理なく返せる金額は、
となります。
200,000円-(14,000円+19,000円+30,000円+2,000円)=135,000円
この金額を先ほどと同条件(借入期間35年、金利4%)で借りた場合
135,000÷4,428円×100万円≒3,049万円
が無理なく返せる金額の総額となります。
銀行から借りられる金額と実に331万円の差がでることがわかります。
3 先行き不安な時代を乗り切るために思い切ってローン額を減らしてみては?
銀行から借りられる金額≠無理なく返せる金額
このことを理解しないで、住宅ローンを組んでしまうのは非常に危険です。
銀行から限度額いっぱいで借り入れた場合、この先想定外の出来事が起きたときに住宅ローンの返済が重くのしかかってくる恐れがあるからです。
サラリーマン世帯の場合、ボーナスのカットや、給与が思うようにあがらなくなるといった事態は今後十分に考えられるリスクです。
また、自営業者世帯の場合も売り上げが思うように伸びないリスクは大いに考えられるのではないでしょうか。
銀行から借りられる金額ではなく、無理なく返せる金額でローンを組む。
このことを前提としてもなお不安な場合は、思い切ってさらにローン額を減らすことも視野にいれてみてはいかがでしょうか。
ローン額を減らすには、ズバリ当初借入額を減らすことです。
当たり前ですね。
ということは、
a)頭金を増やすか
b)物件価格を下げるか
です。
頭金を増やすにはそれなりに時間がかかりますので、それまでマイホームを購入せずに我慢できるというかたには一つの手かもしれません。
また、当初考えていたマイホームの希望面積を減らすことや購入エリアを拡大させることで物件価格を下げることもリスクヘッジの一つになると思います。
まとめ
せっかく購入したマイホームで、くつろぎの時間を手に入れるはずが毎月のローン返済に追われ頭が痛く、くつろぐどころではない。
そんな悲劇的な状況にならないためにも、無理なく返せる金額という考えを頭の中にいれて、身の丈にあった物件を購入する。
それでも不安な場合は、さらに借入金額を減らすことを考える。
そんな住宅ローンとのフレキシブルな付き合い方が、先行き不安な時代にマイホーム購入をする上でのスマートな選択ではないでしょうか。